- 宇宙と原子力
- 物理学における力の基礎について
内之浦宇宙空間観測所
内之浦宇宙空間観測所は鹿児島県肝属郡肝付町の内之浦という地区にありますが、合併前までは肝属郡内之浦町でした。
内之浦は本土最南端の大隅半島の東側に位置しており、太平洋を見渡すことのできるロケーションが素敵なところです。黒潮の影響で一年中温暖な気候です。コアラの大好物でありユーカリの栽培の他、漁業が盛んであります。この内之浦宇宙空間観測所ができたころは東京大学工学部が管轄していましたが現在は文部科学省が管轄しています。昭和40年代に国内で初めての人工衛星を搭載してロケットを打ち上げたところでもあります。そのためこの人工衛星の名前は、大隅半島の名前から「オオスミ」と名付けられました。その後、数年おきにロケットが上がっています。
もっとも有名なものが2013年9月に打ち上がった国産のイプシロンロケットです。2度の失敗を重ねてようやく成功になったため国内でずいぶん話題になりました。その後イプシロンロケットは2回打ち上がり、最近では今年の10月1日に打ち上げることが予定になっています。宮之原観測展望台を町が造り、1000近い人が入れます。
無料で誰でも入れますが、10月1日の当日はコロナの関係で町外者は自粛となっています。内之浦という地区はもともと漁業と林業が盛んなところで人口は少なく、まさに田舎の町でした。国が昭和30年後半になると国内のロケット基地建設でこの地区がいくつかの候補の中から決まりました。鹿児島県の端の町でしたので、当時鹿児島県にとっては非常に驚くニュースでした。
今では観測所に行けるように山を切り開き、広い道路が整備されています。とにかく昔と違ってファシリティがしっかりしていますので観測所に行きやすくなっており、道路(国道)沿いには打ち上げに関するいくつかのインフォメーションセンターがあります。
ですから遠方から来た人が迷うことなく、観測所にスムーズに逝けるようになっていることも魅力ある1つです。もし宇宙関係に興味ある方は、宇宙ばかりではなく、資料館も設置してありますので国内の宇宙開発の歴史を知る上でいいのかもしれません。町営の宿泊所が1か所と、民営が3か所ありますので、宿泊を希望される方は前もって予約してください。不明な点は肝付町役場内之浦支所に電話してもいいです。ドライブやツーリングの人を多く見かけますので、道路事情が良い証拠でもあります。内之浦という地区を知ってもらう意味でもいいことです。