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原子力とその3つのメリット
東日本大震災による福島原発の事故により、日本はおろか世界中が原子力発電所の恐ろしさを痛感させられています。そして原子力発電イコール悪いものというようなイメージが定着してしまった感があります。しかし、これは決して正しい理解ではありません。もし本当に悪いものであれば、日本各地にいくつもの原子力発電所を作らなかったことでしょう。
原子力発電には、主に3つのメリットがあると言われています。まず燃料の安定供給が可能となることです。燃料にウランが使用されますが、ウランの特徴として一旦使い終わっても再処理すれば再び使用することができることがあります。日本のように天然資源の乏しい国においては、常に産油国にエネルギーを依存しなければならないのが現状です。しかし産油国の多くが政情不安定であり、価格もしばしば乱高下するため、日本は常にエネルギー確保に不安を抱えています。ところが原子力発電によってその不安を軽減させることができ、安定したエネルギー確保が可能となるのです。
また火力発電所とは異なり、発電時にCO2を排出しないのも大きなメリットです。いま世界は地球温暖化が大きな問題となっています。その原因として考えられているのがCO2であるため、CO2排出国はその大幅な削減が求められているのです。火力発電において石油を燃やせば必ずCO2が発生してしまいますが、核分裂によるエネルギーを利用する場合はCO2排出の心配がありません。そのためクリーンエネルギーの一つとして暖化対策にも有効なのです。
さらに電気料金の安定にも役立っています。これは発電コストとして燃料費が占める割合が火力発電や天然エネルギーなどと比べて低いため、燃料費の高騰による電気料金の上昇の心配がないのです。誰にとっても電気代は少しでも安いに越したことはありません。個人の毎日の生活ももちろんのことですが、膨大な電気を使う工場などの生産活動においても生産コストの削減に役立ちます。
このような様々なメリットを正しく学ぶなら、日本において必要不可欠なものであることがわかることでしょう。大切なことは、今回の大地震による津波のような想定外の災害が発生したときに、いかに影響を抑え安全に運用することができるのかということです。この問題がクリアされることが重要であることは言うまでもありません。その上で安全に運用することができるなら、やはり夢のようなエネルギーシステムなのです。