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核エネルギーとは 原子力発電の科学!
日本とは海に囲まれ、豊かな海洋生物と海洋資源に恵まれている国と思われがちです。確かに海産物は豊富であり、ほかの諸外国と比較しても食文化は非常に豊かであるのは間違いありません。
しかしながら生活を支えるエネルギー資源は、海中や土中から採掘されることがないのです。諸外国ではレアアースやウランなど様々な資源を持っており、たとえ国内の経済状況が悪化しても諸外国とエネルギー資源取引で豊かな国に導くことが可能となっています。その代表的なものが石油王国と言われるアラブ諸外国でしょう。こうした資源が乏しい日本では、サイエンスを駆使して自ら資源を開発し、生み出さなければなりませんでした。そこで取り入れられたのが原子力エネルギーだったわけなのです。高度成長期以前から次々と原子力のプラントが建設されていきました。
とくに地方の広大な土地に相次いで建設されていったんです。50年代には手塚治虫氏の人気アニメの鉄腕アトムがイメージキャラクターとなって、将来的な再生エネルギーのつなぎとして原子力発電所は不可欠であることをアピールして行ったんでえす。当時は安全性が高く、決して原子炉に問題が生じ甚大な影響が起こることはないと太鼓判を押していましたが、東日本大震災を経験し福島原子力発電所の甚大な事故を目の当たりにしその神話は完全に崩れてしまったわけなのです。
原子力発電は決して安全とはいいがたいことがわかってきました。原子核の核分裂によって熱を発し、蒸気を発生させて発電する仕組みなのですが、中性子の速度を遅くして核分裂を早めるために、水が大量に使われるんです。今回福島原発でも問題になったのが、セシウムなど人体に悪影響を及ぼす有害物質が含まれた大量の水が廃棄物となっていまだに福島の原子力発電所に残っているわけなんです。
この汚染水をどうやって処理するかが政府や有識者で頻繁に話し合いが進められていますが、海洋に放流し処理するしかないとの結論になりそうで海洋の生態系や気候変動への影響など世界規模での悪影響が危惧されている状態です。そして原子炉が崩壊したことで、メルトダウンが起こってしまい放射線濃度も非常に高くなってしまいました。もはや福島の原子炉はチェルノブイリの放射線を上回ったのではないかと不安視されました。高濃度な放射線を浴びると人には甲状腺がんなどのリスクが高まることがわかっています。このように危険を伴う原子力発電に関し、日本国内のみなえらず世界中で賛否の声が聞かれるのです。