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核エネルギーのメリットとデメリット
核エネルギーのメリットはコストを抑えられることで、特に運用におけるコストが少なく済むことが挙げられます。安く運用できるとなれば電気代も低く抑えられますから、消費者にとって魅力的だといえるでしょう。また自然任せの太陽光発電や風力発電などと違い、常に一定の電力を発電できるのが核エネルギーのメリットです。
太陽光発電だと時間帯や天気に発電量が左右されますし、風力発電も風の強さや方向によってやはり変わってしまいます。しかも太陽光発電は明確に発電できない時間帯が生じ、風力発電は設置場所が限定される問題を抱えます。核エネルギーも冷却に大量の水が必須なことから、必然的に海に面した場所が発電所の設置場所となりますが、時間帯や自然の都合に左右されないのは確かです。そして石炭や石油による発電と比べて、二酸化炭素の排出量が大幅に抑えられます。とはいえ、少なからず放射性物質を発生させることになるので、自然環境に対する影響の懸念というデメリットはあります。
水を大量に消費する点もデメリットといえばデメリットですし、やはり設置場所は限られてしまいます。当然ながら既存の核分裂発電では放射性廃棄物が発生しますし、その安全な保管や処理といった課題を解決することが必要です。エネルギー密度が高くて大量の電力を生み出すことができますが、再生は不可能なので、そのデメリットを否定できないです。言うまでもなく事故のリスクがつきまといますし、回りが海で地震大国の日本のような国にとっては、津波による事故と被害拡大のリスクが拭えないです。
これらの自然環境への影響や安全のリスクに関するデメリットは、核融合型の発電方法が実用化されれば解消します。分裂ではなく融合により電力を生み出せるので、融合する物質がなくなればいずれは止まります。分裂だと分裂の反応速度をコントロールする必要がありますし、ひと度コントロールから外れてしまえば、メルトダウンなどの事故に繋がります。その点、融合は極めて安全性が高くて事故のリスクが小さく将来有望な発電方法と考えられていますから、日本を含む世界中で研究開発が進められているわけです。
ちなみに融合による反応は太陽でも起こっていることで、いかに膨大なエネルギーを生み出せる可能性を秘めているかが分かります。研究開発にコストや時間は掛かりますが、実用化は着実に近づいていますし、後は小型化や安全性の実証によって、メリットばかりの発電方式の誕生に結びつくことに期待できます。