多くの探査機が「行ったきり」であることに対して、「はやぶさ2」は初代「はやぶさ」と同様に地球へと帰還しなければなりません。そのためには小惑星へ行って帰ってくるための道筋である「軌道」を自由自在に制御する必要があります。「はやぶさ2」は太陽系を渡り歩く「宇宙船」としてそのミッション達成を目指すことになります。
2014年の冬に打ち上げられた「はやぶさ2」は、1年後の2015年に地球の重力を利用した加速と方向転換を行う「地球スイングバイ」を実施します。その後一路小惑星「1999JU3」を目指してイオンエンジンによる動力航行を行い、2018年に小惑星へと到着します。
小惑星へと到着した「はやぶさ2」は、遠隔によるリモートセンシングの他、小惑星に着陸する子機の投下、そしてサンプル採取を複数回実施します。中でもサンプル採取のうち、衝突装置と呼ばれるものを利用して人工クレーターを生成し、そこから地中のサンプルを採取するといった新たな試みも実施されます。
そして2019年に小惑星を出発し、再びイオンエンジンによる動力航行を実施して2020年に地球へ帰還する予定です。
ワンポイント
小さなこの探査機が何億キロも離れた場所にある小惑星へ到達するには、燃費が良く非常に高性能な「イオンエンジン」が欠かせません。このイオンエンジンを動作させ続け、さらに地球の重力を利用した加速で小惑星へと向かいます。
年 | スケジュール |
---|---|
2014年 | 打ち上げ |
2015年 | 地球スィングバイ |
2016年 | |
2017年 | |
2018年 | 小惑星到着 |
2019年4月5日 | 衝突装置「インパクタ(SCI)」の衝突 小惑星出発 |
2020年 | 地球帰還 |
2021年 | 詳細分析の公募 |